画像の中に文字を描ける——それが gpt-image-2 の売りです。ところが日本語の見出しを入れた瞬間、これがびっくりするほど崩れます。今回は実際に日本語を5枚描かせて、何がどう壊れるのかを実画像で集めてみました。おもしろいことに、英語はきれいに出るのに、日本語の崩れ方は4種類もあったんです。なぜそうなるのか、そしてアイキャッチで困らないための回避策まで、まとめておきます。
結論:日本語の見出しは画像に焼き込まない。崩れ方は4種類ある
結論から言うと、画像の中に日本語の見出しを入れるのは、いまのところ避けたほうが安全です。やっかいなのは、崩れ方が1種類じゃないこと。わたしの実験では、次の4つが出ました。
- 豆腐化:かな漢字が「?」に置き換わる
- 別字すり替え:形の近い別の漢字になる
- 内容すり替え:字はきれいなのに、指定と全く違う文章が出る
- プロンプト無視:文字どころか画像の主題ごと別物になる
その一方で、英語と数字は正確に描けました。崩れるのは、要するに主にかな漢字なんです。実際の画像を順に見ていきましょう。
実験:gpt-image-2 に日本語を5枚描かせた
では、日本語が実際どう崩れるのか見ていきます。使ったのは gpt-image-2(medium 品質・1536×800)です。画像の中に特定の文字を描いてもらう形で、OpenAI の API を直接叩いて5枚生成しました。費用は5枚で約 0.27 ドル。ワンコイン以下です。
まず対照として、英語の「PRODUCTIVITY」を描かせてみます。これは正確に出ました。

次に「AIで仕事を自動化する方法」を頼みました。結果がこれです。

英語の「AI」はきちんと出て、そのあとのかな漢字がすべて「?」になりました。これが豆腐化です。文字が入るはずの場所に、空っぽの記号がずらりと並びます。
数字を混ぜたらどうなるでしょう。「30日で12時間削減」を頼んでみました。

数字の30と12は正確でした。でも漢字が入れ替わっています。「日」が「代」に、「時間削減」が「万円台」に。形の近い、よく見かける漢字に流れた感じです。パッと見は日本語として成立しているので、これがかえって気づきにくい。
では短い熟語ならどうか。「業務効率化」を明朝で、上に余白を取って頼みました。

字形はとてもきれいな明朝でした。でも中身は「相続税の申告期限はいつまで?」という、頼んでもいない文章です。これが一番こわいパターン。崩れていないぶん、見た目だけ確認すると見落とします。
最後に、同じ「業務効率化」を、今度はゴシックで、にぎやかな背景の中に置いてみます。

5文字が、そのまま「?」5個になりました。同じ言葉でも、背景がにぎやかでフォントがゴシックだと、字形すら保てないんです。先ほどの明朝・余白ありが字形だけは保ったのと比べると、対照的でした。
崩れ方は1種類じゃない:4つのパターン
5枚を並べてみると、崩れ方がきれいに4つへ分かれました。
- 豆腐化(t2・t4):かな漢字が「?」になる。一番分かりやすい崩れ
- 別字すり替え(t3):形の近い別漢字に化ける。数字は残る
- 内容すり替え(t1):字形は完璧なのに、文章が別物
- プロンプト無視:実は別の記事で、抽象的な日本語プロンプトを渡したら、記事と無関係なゲーム広告画像が返ってきたこともありました
やってみて分かったのは、「崩れた字」よりも「間違った字をきれいに描く」ほうがずっと厄介だ、ということ。校正でつい見落としてしまうからです。
なぜ崩れるのか① トークナイザが漢字を割る
ここからは理由の話です。1つめは、文字をモデルに渡すときの分割の仕方。多くのモデルが使う BPE という方式には、扱えるトークン数の上限があります。漢字は数が多いので、1文字が2〜3個のトークンに割られるのが普通なんです。
しかもこの分割は、漢字の偏や旁、画数とは無関係です。だからモデルは「字の組み立て方」を学びにくいわけです。文字の渡し方そのものが、描画の精度にそのまま効いてきます。
なぜ崩れるのか② 学習データの英語偏重
2つめは、学習データの偏りです。ネット上のテキストは英語が圧倒的に多くて、画像モデルもどうしてもラテン文字に最適化されがち。実際、英語以外の言語、とくにあまり使われない言語では生成品質が大きく落ちるという研究報告もあります。日本語も、その優遇されない側です。
これは t3 の結果とよく合います。「日」や「時間削減」が、形の近い「代」や「万円台」という、より見慣れた字に流れていきました。よく見た字は出せても、指定どおりの字は外す。そういう挙動なんですね。
なぜ崩れるのか③ 文字を「意味」でなく「見た目」で描く
3つめが、たぶん一番の本質です。画像生成は、言葉の規則ではなく見た目のパターンを学んでいます。「何と書いてあるか」ではなく「テキストらしい見た目」を再現している、というわけです。
これが t1 の「字はきれいなのに内容が別物」の正体だと思います。モデルにとっては、それらしい日本語の見た目さえ出ていれば成功。中身が合っているかどうかは、また別の話なんです。だから自信満々に、頼んでもいない文章を描いてきます。
公式は「多言語に強い」と言うが
ここはフェアに書いておきます。新しい gpt-image 系について、公式や報道は多言語のテキストやインフォグラフィックをこなすと伝えています。文字描画が世代ごとに良くなっているのは、確かです。
それでも、わたしが medium 品質で日本語を実際に描かせると、ここまで見てきたとおり崩れました。マーケティングの「多言語に強い」と、手元の medium 実測のあいだには、まだ差がある。これが正直なところです。
念のため、限定もつけておきます。今回は medium 品質・1536×800・1回ずつの生成です。high 品質や英語での指定、生成のばらつきで結果は変わります。「いつでも必ず崩れる」のではなく、「medium で日本語の見出しを入れると、崩れた実例が普通に出る」という話です。
実務の回避策3つ
では、崩れと付き合いながらアイキャッチを作るには、どうするか。どれも自分で試した方法で、いま使っているのは次の3つです。
- 日本語は焼き込まず、後から載せる:画像は文字なしで生成し、見出しは Canva などで上にのせる。これが一番確実です
- どうしても入れるなら、短い語・数字中心・余白多め:今回も数字は正確でした。明朝で余白を取ると字形は保ちやすいです
- 生成後は1文字ずつ目視校正:別字すり替えは自信満々に出てくるので、見た目だけの確認では危険です
OpenAI 公式のガイドも、入れたい文字は引用符で囲んで一字一句そのまま描くよう指定し、配置やフォントを指定して反復することを勧めています。とはいえ日本語ではまだ外すので、わたしは後載せに寄せています。
ちなみにこのブログのアイキャッチも、最初は崩れや暴走でずいぶん苦労しました。その裏側はClaude Code 自作スキルの記事でも触れています。AI ツールを実際に触った記録はClaude Code の使い方の記事にもまとめています。
まとめ
- gpt-image-2 は英語と数字は正確に描けるが、日本語のかな漢字は崩れやすい
- 崩れ方は1種類でなく、豆腐化・別字すり替え・内容すり替え・プロンプト無視の4つが出た
- 理由は、トークナイザの漢字分割・学習データの英語偏重・文字を見た目で近似すること
- 一番こわいのは「きれいな誤字」。見た目だけの確認だと見落とす
- 実務では、日本語は後載せ・短語数字・1文字ずつ校正で乗り切れる
gpt-image-2 の日本語は、世代を追って良くはなっています。それでも見出しを焼き込むのは、いまはまだ早い。文字は後から載せる。これだけで、ぐっと困らなくなります。
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